押さえておきたいFX・債券投資の基本「投資は金利低下局面が有利」

押さえておきたいFX・債券投資の基本「投資は金利低下局面が有利」

為替レートの影響を抜きにしたFX、外貨建て債券の価格の推移について解説しましょう。外貨建て債券というと、外貨預金のように、外貨建てで元本が保証されており、損益の大半は為替変動からもたらされると思っている人が大半でしょう。それは事実ですが、外貨建て債券の元本が保証されるのは、あくまでもその債券を償還まで保有した場合に限られます。償還前に売却すると、元本を割り込むケースもあるのです。

 

たとえば、債券は額面価格が決められており、その額面価格に対して、一定率の利子が支払われます。そして、償還を迎えたときは、額面価格で償還金が戻ってきます。この場合は、確かに元本が保証されます。しかし、債券市場を通じて償還前に売却する際は、債券市場に参加しているさまざまな投資家のあいだで決められる「債券価格」で、売却することになります。この債券価格は、株式などと同じように、売り手と買い手の需給バランスによって決められています。売り手が多ければ債券価格は下落し、買手が多ければ債券価格は値上がりします。

 

FXも債権もこうした売り手と買い手の需給バランスは、金利情勢によって変わります。簡単にいうと、債券価格と金利のあいだには、次のような関係があります。

 

金利上昇=債券価格下落
金利低下=債券価格上昇

 

この関係については、例外なくそういうものだということで、丸暗記しておくとよいでしょう。したがって、FXで通貨や、外貨建て債券を購入した後、その通貨国の金利水準が上昇すると、その外貨建て債券の債券価格は下落しているため、償還前に債券市場で売却すると、売却損を被ることになります。

 

それとは逆に、FXで通貨外貨建て債券を購入した後、その通貨国の金利か低下すれば、債券価格は上昇しているため、償還前に売却すると、売却益を得ることができます。つまり外貨建て債券などの債券は、高金利時に投資したほうが有利なのです。なぜなら、高い利子を受け取れるだけでなく、債券価格が上昇するため、償還前に売却することによって、売却益も得ることもできるからです。

 

つまりFXで通貨や、外貨建て債券に投資する場合は、為替相場の動向だけでなく、金利情勢も重要な判断材料になります。昨今の米国のように、超低金利政策を取っているような局面では、今後、景気の回復にともなって金利水準が上昇する可能性があるだけに、債券価格は下落する恐れがあります。償還前に売却する可能性がある場合、いまは債券投資をするうえでよいタイミングとはいえません。

 

もちろん、債券投資の場合は、償還まで保有すれば、額面価格で元本が戻ってきますから、途中で得られる利子も含めて計算すると、外貨建てで元本割れになる心配はありません。したがって、このタイミングで、たとえば米国国債などに投資するのであれば、償還まで保有することを前提にして、購入の是非を検討する必要があります。